
EU(欧州連合)加盟国への商品輸出の際、企業が確実に理解しておくべき重要な要件の一つが**ENS(Entry Summary Declaration:入港要約申告)**です。これはEUの港へ輸入されるすべての貨物に対して義務付けられており、EU加盟国の税関当局が、貨物の到着前にその安全性を確保し、管理するためのものです。
近年、貨物の安全管理に関する規制がますます厳格化しており、ENS申告の遵守は極めて重要になっています。本記事では、NQY ServiceがEU向け輸出におけるENS申告の最新規則について詳しく解説いたします。
ENS(Entry Summary Declaration)とは?
ENS(Entry Summary Declaration)とは、EUに輸入される貨物について、到着前に税関へ提出する要約申告のことです。この規則は、海上輸送でEUに入るすべての貨物に適用され、税関当局が貨物の合法性を確認し、潜在的なリスクを評価し、国家安全保障を確保することを目的としています。
通常の通関申告とは異なり、ENSは主に送信者・受取人情報、貨物の詳細、到着港などに焦点を当て、貨物がEUの港に到着する前に審査を行うためのものです。
ENS申告の新規則
2022年3月1日より、ENS申告に関する重要な規則変更があり、輸出企業は適切な準備と正確な申告を求められるようになりました。
ENS申告の提出期限
新規則では、ENSは出発港を出る少なくとも24時間前までに申告する必要があると定められています。従来の「到着港での申告」からの大きな変更点であり、EUの税関当局が事前に情報を確認し、リスク管理を行うための十分な時間を確保することが目的です。
ENS申告に必要な情報
ENS申告では、以下の情報を正確に記載する必要があります。
船舶情報・航路情報:船名、航路番号、出発港
送信者・受取人情報:送信者・受取人の名前、住所
貨物情報:
貨物の詳細な説明
HSコード(国際統一商品分類コード)
数量・重量
輸入港:EU内で貨物が到着する港
輸送手段の詳細:コンテナ情報・輸送機関の詳細
特にHSコードと貨物の詳細な説明は、税関当局が貨物のリスクを評価する上で非常に重要な要素となるため、正確な記載が求められます。
ENS申告情報の更新義務
新規則では、航路や船舶、到着港に変更が生じた場合、申告内容を速やかに更新することが義務付けられています。万が一、申告内容と異なるルートや船舶で輸送された場合、貨物の通関が遅れる可能性があります。
ENS申告の流れ
ステップ1:必要な情報と書類の準備
輸出企業は、船舶情報、貨物情報、輸出港・輸入港、送信者・受取人情報などを事前に収集します。
ステップ2:ENS申告の提出
ENS申告は、税関の電子申告システムや通関代理店を通じて提出することができます。申告情報はEU加盟国の税関当局に送られ、審査が行われます。
ステップ3:税関による審査・リスク評価
EUの税関当局は、ENS申告の内容を確認し、貨物のリスクを評価します。不正な貨物や安全保障上の問題が疑われる場合、追加検査が行われる可能性があります。
ステップ4:申告内容の更新(必要に応じて)
航路、船舶、到着港の変更があった場合、すぐに申告内容を修正する必要があります。
ENS規則違反によるペナルティ
ENSの規則を遵守しない場合、以下のような厳しいペナルティが科せられる可能性があります。
罰金:申告の遅延や誤った情報の提出により、数千~数万ユーロの罰金が科される可能性があります。
貨物の差し押さえ:ENS申告が正確でない場合、貨物は輸入港で留め置かれ、厳格な検査を受ける可能性があります。
通関の遅延:申告の遅れによって貨物の通関が遅れ、物流の混乱や追加費用が発生する可能性があります。
まとめ
ENS申告は、EU加盟国への貨物輸出において必須の要件です。申告期限の遵守、必要情報の正確な記載、変更情報の迅速な更新を行うことで、輸出企業はリスクを回避し、スムーズな輸出を実現できます。
NQY Serviceは、ENS申告の正確な処理をサポートし、貴社のEU市場進出を効率的かつ安全に支援いたします。
ENS申告に関するご質問やサポートが必要な場合は、ぜひNQY Serviceまでお気軽にお問い合わせください!
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